なぜ本棚を作りたくなるのか・・・。
インテリアデザインをしていると、クライアントの要望を取り入れます。
当然の話なのですが、ぼんやりしていたイメージを具現化するのがデザイナーの役目だと思っています。
ただ、既製の本棚を持ってきて置くだけなら誰にでもできますが、使い勝手を含め設置する場所、サイズ、デザインを考慮して製作しなければなりません。
近年データ化された書籍は、場所を取らず膨大な量を持ち歩くことができる。本棚なんて時代と共に消えていくものかもしれません。しかしながらどんな時代になっても人間というのは五感を頼りに生きています。手に取った重み、手触り、匂いなどはデータでは感じることはできません。また背表紙に書かれた文字は持ち主をいつまでも励まし続けます。たとえそれが本でなくても違うものをものを並べたとしても同じです。本棚が、住む人に取っての心の拠り所になれば良いと考えます。
改修前の中の様子(BEFORE)
1LDK→1LDKの間仕切り壁の位置を変更変更。リビングと和室が襖でまじ切られており、部屋の入り口やテラスの窓に囲まれており、広さの割には家具を置ける自由度のない部屋。
LIVING ROOM-01(AFTER)
壁の一面を作り付けの本棚とし、この部屋の象徴とする。
本だけでなく、住む人の趣味に合わせてディスプレイも楽しめる本棚とした。
LIVING ROOM-02
キッチン横のオープンクローゼットを見る。
クローゼットには通常建具があり、中身を隠す役割があるが、この場合は常に整頓し収納するものを取捨選択しなければならない。
収納も見せるではなく→魅せる部屋へと変化しつつある。